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三人寄れば文殊の知恵

三人寄れば文殊の知恵

城下町松山を歩く(46番~53番)

山を下りきったところが46番浄瑠璃寺です。
浄瑠璃寺から53番円明寺までは松山市内で、
札所がつながっています。

これまで札所の感覚が空いていたので、
まとめてお参りできるとなんとなく得をしたような気がします。

ところで、浄瑠璃寺の名前の由来は東方浄瑠璃世界から来ています。
この世界の教主が薬師如来で西方極楽浄土の阿弥陀如来とともに
信仰を集めています。
また、ここの境内には巨大なイブキの木があります。

46番から47番の八坂寺までは約一キロですぐです。
このお寺は山の麓にあります。
かつては山の中腹にあったのではないかとも思いますが、
定かではありません。

ここから道なりに少し下ると番外の文殊院があります。
文殊院は衛門三郎の邸宅跡といわれています。

衛門三郎は遍路の元祖ともいわれています、詳しくはこちら
また、この文殊院の前の道を少し入ったところに八塚と呼ばれる、
衛門三郎の子供のお墓があります。
ガイドブックなどには付いていませんがぜひどうぞ!

文殊院から少し進むと、番外霊場の札始大師堂があります。

ここから、衛門三郎が札始め(遍路の打ち始め?)を
したとの伝説があります。

以前夕暮れ五時近くに着いたことがあります。
泊まる場所も無かったので、ここで軒を借りて
野宿させてもらおうと思いましたが、
既にお堂の入り口は閉まっていました。

「すいません」と声を掛けると、いきなり
「うちは泊められません、他所へ行ってください」
とあしらわれてしまいました。

何故判ったんでしょう?不思議でした!

交通量の多い道沿いに進んで重信川という大きな川を渡ると
48番西林寺まではすぐです。

途中わき道にそれますが、杖の淵という
48番の奥の院があります。
弘法大師の杖の水伝説があり、名水にも選ばれていて
辺りは公園になっています。

だんだんと松山の街中へ進んでいきます。
次の札所の49番浄土寺は念仏聖といわれた
空也上人ゆかりの札所です。

そして50番繁多寺です。
松山の札所が繋がった中にあって印象の薄い霊場ですが、
往古は求聞持堂(虚空蔵菩薩求聞持法を行うお堂)が
あったといわれ、また、山上に奥の院があるといわれています。

聖天さんを祀ってあるところからしても、かつては行場として
重要な霊場であったことは間違いありません。
念入りにお参りしましょう。 

50番繁多寺から2キロほどで、石手寺です。

衛門三郎が、焼山寺の麓の杖杉庵でなくなるとき

「願わくは、河野家の世継ぎとなって、人々を救いたい」
という望みをお大師さんに打ち明けました。

お大師さんはその願いを受け入れてくれ、
「衛門三郎」と書いた石を手に握らせました。

何年か経って、伊予の河野家に男の子が生まれました。
ところが、手を握ったまま開きません。

三日目に開いた手の中には石が出て来て
「衛門三郎」と書いてあったそうです。

その石を収めてあるのがこのお寺で、
以来石手寺と呼ばれるようになりました。

ここは、四国霊場の中でも1.2を争うお参りの多いお寺です。

松山の街中、道後のすぐそばということもありますが、
門前に出店があるのは、ここと、75番の善通寺、
23番の薬王寺ぐらいでしょう。

関東の方には浅草寺を小さくした感じといえば
イメージが湧くでしょう。

境内はさほど広くない様に感じますが、
背にした山の中腹にもお堂がいくつもあります。
じっくりお参りするとかなり時間がかかります。

石手寺からすぐに道後温泉です。

万葉集にも熟田津とでてくるくらいの古い温泉で
「御足の下より湯出る事谷川の如し」
と道指南にありますが、旅館が多すぎるようです。

現在の泉質は期待するほどではありません。
ただ、温泉街の雰囲気は味わえます。

道後にはきれいな八幡造りの伊佐爾波神社があります。
ぜひお参りしましょう。

道後から、松山市をなめるようにして、
52番札所太山寺へ向かいます。
太山寺はきれいに整備されたお寺です。
山頂に奥の院があるといいますが、行った事はありません。

山門から真っ直ぐに2キロほど進むと53番札所円明寺です。
かつては少し離れた和気の浜にあったといいます。

ここから今治までは35キロほど、その間本札所はありません。
遍路を始めた頃なら、35キロも札所の間隔があったら
びっくりするような距離ですが、阿波・土佐・伊予の難所を
くぐり抜けたこの頃になると、35キロ=歩いても一日で届く距離、
とさほど長く感じられなくなるのは不思議です。

この間にはいくつかの番外霊場があります。
松山の隣の北条を抜けた山の麓に鎌大師堂、
その先の菊間には遍照院があります。


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